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【リライトtips】数字で見る税務調査

  • 税理士法人リライト

    塩田 拓

2024-09-13

こんにちは!

リライトの塩田です。

 

今回は引き続き税務調査の話題ですが、少し角度を変えたお話です!

タイトルの通り、国税庁が発表している税務調査の色々な数字を見てみたいと思います。

 

国税庁では毎年、直近1年間に行った税務調査の実績を公開しておりまして、調査件数や追徴税額等を前年1年間との対比で報告しています。

 

今回見ていくのは令和5年11月に公開された「令和4事務年度 法人税等の調査実績の概要」という報道発表資料で、法人税と消費税の税務調査実績を集計した数字でございます。

令和4年ということで少し前の数字にはなりますが、この記事の作成時点では最新の参考資料となります。

 

まずは法人税・消費税の実地調査の数字を見てみましょう。

 

 

上の表のとおり、新型コロナウイルスが流行していた令和3事務年度から、流行がひと段落してきた令和4事務年度(上記の(注1)のとおり、令和4年7月から令和5年6月までの間に実施された調査のことをいいます)では実地調査件数が約21,000件も増えており、前年対比で約1.5倍と大きく件数を増やしていることがわかります。

 

一方で追徴税額については前年対比で約1.4倍と、件数の伸び率と同様ではなく乖離があり、やや低い伸び率となっております。

調査1件当たりの追徴税額についても前年対比でマイナス約8%と1件当たりの追徴税額は令和3事務年度より少なかったようです。

 

これは新型コロナウィルスがまだ流行していた令和3事務年度の実地調査は、特に大口・悪質な不正計算が想定される法人に絞って実地調査を行っていたことが窺えます。

 

 

次に、法人税の実地調査に関するもう少し詳しい資料を見てみましょう。

 

 

これによれば、実地調査を行った約62,000件のうち非違(不正や誤り)があった件数が約47,000件となっており、実地調査を行った法人の75.8%が税務調査の結果、法人税の非違が認められたことになります。

 

この割合は概ね75%~80%前後で毎年推移しているようで、実地調査が行われた結果、4分の3以上の法人は修正申告していることとなります(一部の法人は更正処分を受けている場合もあります)。

 

また、令和5年11月に国税庁が公開している「令和4事務年度 法人税等の申告(課税)実績の概要」という資料によれば、令和4年度の法人税の申告件数は3,128千件とのことで、上の表の法人税の実地調査が行われた件数から計算すると、法人税の申告をした法人全体の約2%が実地調査を受けているということになります(「令和4事務年度 法人税等の申告(課税)実績の概要」は、令和4年4月1日から令和5年3月31日までに終了した事業年度に係る申告の件数のため、「令和4事務年度 法人税等の調査実績の概要」の集計期間と少しズレがあります)。

 

約2%というと、確率で言えば低く見えますが法人税の申告をしている法人の中には、ほぼ休眠状態やものすごく規模の小さい法人も含まれているため、実際はこの確率以上に実地調査が行われる可能性は高いと感じます。

 

ここまで見てきた資料は令和5年11月に公開された資料のため情報が少し古いですが、今年もおそらく11月に令和5事務年度のものが公開されるかと思います!

 

果たして件数や追徴税額の推移はどうなっているか…。

公開されたときにまた皆さんにご共有したいと思います!

 

参考資料

・国税庁「令和4事務年度 法人税等の調査事績の概要」 202495日閲覧

 

・国税庁「令和4事務年度 法人税等の申告(課税)事績の概要」 202495日閲覧

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