【リライトtips】所在地を変えれば所轄税務署も変わる?社長の誤算とは。
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税理士法人リライト
塩田 拓
2025-07-18

こんにちは!
税理士法人リライトです。
7月は、国税当局の「新事務年度」がスタートする月。
7月中旬になると、新体制による本格的な税務調査が始まります。
先日、ある中小企業の社長さんからこんな相談を受けました。
「今、税務調査が入っているんだけど、
所在地を移転したら調査ってどうなるのかな?」
納税地を変えれば、所轄の税務署も変わり、
調査の手続きや担当者が変わって“逃げ切れる”のでは……?
そんな思惑があったようです。
移転先は隣の区(都内)で、徒歩10分ほどの場所。
営業活動には支障がないため、移転自体は現実的とのことでした。
◆ 実は過去、そういう“逃れ方”もあった?
実際、かつては「質問検査権」は納税地を所轄する国税局及び税務署の職員に限定されており、それを悪用した“調査逃れ”が問題になるケースもありました。
◆ でも、法律が変わりました(令和3年改正)
2021年(令和3年)の国税通則法の改正で、
同年7月1日以降、このような調査回避行為が通用しなくなりました。
国税通則法の根拠条文は次の通りです。
国税通則法 第74条の2第5項(括弧書き及び条文後段は省略しています。)
→ 法人税等についての調査通知があった後にその納税地に異動があった場合において、その異動前の納税地を所轄する国税局長又は税務署長が必要があると認めるときは、旧納税地の所轄国税局又は所轄税務署の当該職員は、その異動後の納税地の所轄国税局又は所轄税務署の当該職員に代わり、当該法人税等に関する調査に係る第一項第二号又は第三号に定める者に対し、同項の規定による質問、検査又は提示若しくは提出の要求をすることができる。
つまり、調査の通知を受けた後に(実地の調査が始まる前から)所轄税務署が変わる移転をしても、旧所轄税務署が引き続き調査を行うことが可能となったのです。
このことを伝えると、社長さんは一言。
「税務調査って甘くないんだね…」
所在地変更を行ったとしても、
「税務調査の回避」を目的にした場合は、法律上、その目的は達成されません。
【まとめ】
税務調査対策は“逃れる”ではなく、“環境を整えること”です。
「定期的な帳簿の整理」と「専門家(税理士)との連携強化」を、今こそ見直しておきましょう!
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