【相続だよりVol.05】相続基礎知識を学ぼう(相続放棄って何?)
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税理士法人リライト
塩田 拓
2023-06-12
相続放棄って何?
被相続人が多額の借金を残していた等で、相続人が財産を相続したくない場合は、相 続放棄をすることで、そうした財産を引き継がないことができる。
相続が発生した場合の選択肢
| 選択肢 | 意味 |
| 単純承認 | 財産・債務を全て引き継ぐこと。 |
| 限定承認 | 受け継いだ財産の範囲内で債務を引き継ぐこと。 |
| 相続放棄 | 財産・債務を全て引き継がないこと。 |
相続放棄をする場合は、原則相続開始日から3か月以内に、被相続人の最後の住所を所 轄する家庭裁判所へ申し立て手続きをする必要があります。
相続放棄の撤回は原則不可能であるため、債務が大きいからとすぐに相続放棄をするの は注意が必要です。
相続コラム
以下では弊社で実際に対応した実務体験をご紹介します。
遺産分割協議書に追加するべき一文と現金の関係
被相続人について、相続人同士で遺産分割協議書を作成するとき、よく最後に付け足される文章があります。
「この協議書に記載のない財産債務については、相続人〇〇が相続する」
これは、少額の財産や債務が後から見つかった場合に、わざわざ協議しなくても、全て〇〇が相続をするという意味なのですが、この文章を書くのは嫌だという方もいます。
遺産分割で揉めていたりする場合、後から多額の債務などが見つかった時に、私(〇〇)が全て引き継ぐのは嫌だ、というケースです。
その時はどう書いているのでしょうか?
この場合は、「この協議書に記載のない財産及び債務が見つかった場合には、別途協議により分割を決める」というように記載します。
ただし、この記載では申告をするときに誰が引き継いだのか分からなくなるものがあります。それが口座以外にある現金です。主に手元現金と呼びます。
申告書には〇〇の口座の現金〇〇円と記載して、誰が相続するのかを当然ながら明記しますが、遺産分割協議書には、〇〇の口座の残高という表記はしますが、手元現金は誰が相続するとあまり書いた実績はありません。
要は、手元現金とはとても曖昧な財産なのです。
もちろん、タンス預金も手元現金です。実際問題、タンス預金100万円を遺産分割協議書に「現金〇〇円」なんて書かないですし、書いた現金の額が違えば、厳密に言えばその差額は遺産分割協議が必要になります。
だからと言って、遺産分割協議の中に「現金全て」と書くのも、また特に遺産分割協議が難航した相続人同士では、「本当はいくらあるの?」「隠してないよね?」と疑いの目が向けられてしまうこともあります。
申告がなくても、財産目録を作ることはよくありますが、現金をどうするかは結構悩ましかったりします。
とはいえ、さっき示したように、どちらかの文章は通常記載するので、どちらかを選択した場合にも、特に現金の取り扱いについてはきちんと説明する必要がありますし、もうすぐ死んじゃうからといって、亡くなる前に多額の現金を引き出した場合も、財産としての現金に該当します。
そこで、予めお客さまには、「お財布の現金や仮に金庫や引き出しなどから出てきた現金については、遺産分割協議書ではどのように扱いますか?」と、「お亡くなりになる直前に引き出した預金は原則、財産としての現金に該当しますので、遺産分割協議書にはどのように記載しますか?」といったことを確認しないと、思わぬトラブルを招いたりする可能性があるので注意が必要です。
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